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マルチーズって?性格や体重・しつけ・飼い方は?気を付けたい病気も

  2018/02/23
 

マルチーズは、過去に17年もの間人気の犬種ランキング1位に輝き続けたことがある、日本で大人気の犬種です。最も古くからいる愛玩犬でもあり、そのかわいい見た目や性格などから、多くの人々から愛されてきました。今回は、そんなマルチーズの性格やしつけの方法、飼い方、注意したい病気などについてご紹介します。

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マルチーズってどんな犬?

マルチーズとはどんな犬なのか、特徴や性格、歴史についてご紹介します。

マルチーズの基本データと特徴

マルチーズ

photo by Adg

【体重】 2〜3.2kg
【体高】 18〜25cm
【寿命】 12〜14年

穏やかで優しい表情や、地面につくほど長い真っ白な被毛が特徴です。マルチーズ(Maltese)とは、「マルタの」という意味の英語です。ビション・フリーゼやボロネーゼなどのビション系の犬の血が入っています。

マルチーズの性格

マルチーズ

マルチーズは穏やかで人懐こく、甘えん坊で明るい性格です。活発で溌剌(はつらつ)とした性格でもあり、走り回ったりして遊ぶのが大好きです。

また、大胆なところもあり、自分より体の大きな相手に対しても臆さずに吠えることもあります。

マルチーズの毛色

マルチーズの毛色は白のみなので、「白の貴婦人」とも呼ばれます。昔は白以外の色のマルチーズもいましたが、白のマルチーズが人気だったことから、白いマルチーズばかりつくられたのです。

マルチーズの歴史

マルチーズ

photo by Lennart Tange

マルチーズは、ヨーロッパで2000年以上も前から愛玩犬としてかわいがられてきた、最も歴史の古い愛玩犬です。

祖先犬は、フェニキアの船員たちが地中海にあるマルタ島に持ち込んだメリタ犬と言われています。「マルタ犬ではないのか?」と思うかもしれませんが、昔はマルタのことをメリタと発音していたそうです。マルタ島は当時、貿易の中継点として栄えていました。

メリタ犬に、小型のスパニエルやミニチュア・プードルがかけ合わせられて、今のマルチーズの姿になったと言われています。マルタ島では、他の犬と隔離した場所で交配が行われていたので、純粋なマルチーズらしさが長い間引き継がれたようです。

マルチーズは、「マルタ島のライオン・ドッグ」という絵のモデルにもなったり、イソップ物語にも登場したりしました。

14世紀の始めには、イギリスの貴婦人たちの間で人気の犬種となり、ヴィクトリア女王からも愛されました。この頃のマルチーズは、「マルチーズ・テリア」と呼ばれていたそうです。

そして15世紀にはフランスに、17世紀にはアメリカに伝わりました。アメリカでは、アジアのマルチーズ愛好家たちが、被毛をライオンのようにカットしていたことから、1877年ころまで「マルチーズ・ライオン・ドッグ」とも呼ばれました。

1888年には、AKC(American Kennel Club:アメリカのケネルクラブ)に認定されています。日本には、昭和の始め頃に伝わり、昭和30〜40年代に人気の犬種となりました。

マルチーズの飼い方

次に、マルチーズの飼い方について、ケアの仕方やしつけ、気をつけたい病気を紹介します。マルチーズは、暑さや寒さにあまり適応できないので、室内飼いにしましょう。

ケア

マルチーズ

photo by yasmapaz & ace_heart

マルチーズの毛はシングルコート(アンダーコートがなくオーバーコートのみの被毛)です。換毛期はありませんが、マルチーズの毛は絡まって毛玉になりやすいので、毎日のブラッシングが必要です。2週間に1回ほどシャンプーもしましょう。

特に生後8カ月頃は、子犬の被毛が成犬の被毛に生え換わるので抜け毛が多く、被毛が絡まりやすくなります。

マルチーズはトリミングが必要な犬種です。被毛が地面まで着く長さの「フルコート」がマルチーズのスタンダードですが、ショーに出すのではなく、普通に飼うには短く切っても良いでしょう。

目の周りの被毛は涙やけで汚れやすいので、きれいに拭いてあげましょう。

■関連記事:毛が抜けない犬と抜ける犬?犬の毛について知ろう!

しつけ

マルチーズはとても賢く、飼い主に従順な犬なので、比較的しつけやすい犬です。初めて見るものや人に対して吠えるクセを持ってしまうこともあるので、無駄吠えをしないようにしつけをする必要があります。

注意したい病気やけが

マルチーズ

純血種は、近親での交配が繰り返されたことで、遺伝的な弱点を持っています。マルチーズは以下のような病気やけがに気を付けましょう。

流涙症(涙やけ)

流涙症(涙やけ)は、涙が流れ続けてしまう病気で、目頭から鼻にかけての被毛の色が変色してしまいます。

【症状】 目のまわりの被毛の変色・目ヤニ・湿疹など

【治療】 鼻涙管(涙の通り道)の洗浄など

【予防】 涙の量や目ヤニの量を毎日チェックする・目のまわりをきれいに拭く

膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼は、後ろ足の膝関節にある膝蓋骨(膝のお皿)がずれてしまう病気です。生まれつきのものと外傷によるものがありますが、生まれつきのものがほとんどです。

時間が経つほど骨は変形して、歩けなくなってしまうこともあるので、症状があるようなら子犬のうちに治しておきましょう。

【症状】 後ろ足を浮かせて歩く・真後ろから見て、後ろ足が内側か外側に曲がっているなど

【治療】 投薬・手術など

【予防】 室内で滑らないようにじゅうたんなどを敷く・足の筋肉をつけるために適度な運動をする

■関連記事:犬の膝蓋骨脱臼って?症状や治療、手術、サプリメントなど

低血糖症

低血糖症は、血液中の糖分の濃度が薄くなって、栄養が全身に回らない病気です。子犬の場合は、過敏性大腸症候群や消化管内寄生虫などが原因でご飯が食べられないことで低血糖症になります。

また、成犬の場合は糖尿病やすい臓の腫瘍、ホルモンバランスの異常などが原因となります。

【症状】 けいれん・元気が無い・動きが鈍い・下半身が麻痺しているなど

【治療】 ブドウ糖の投与など

外耳炎

耳の外耳道(穴から鼓膜まで)の炎症です。耳あかがたまったり、細菌や酵母菌、寄生虫が繁殖したりすることや、実などの異物がはいってしまうことが原因です。

マルチーズの耳はたれ耳で、長い毛が生えているので、通気性が悪くて外耳炎になりやすいです。また、春から秋にかけて、気温と湿度が高い時期は外耳炎になりやすいので、とくに気をつけましょう。

【症状】 床などに耳をこすりつける・耳の後ろをかく・頭を振る・耳の穴が赤く腫れる・耳が汚れて異臭がする

【治療】 耳あかや異物の除去・抗生物質の投与

【予防】 定期的に綿棒やコットンで耳の掃除をして清潔にしておく

■関連記事:犬の外耳炎ってどんな病気?症状や治療方法・治療費・予防など

かわいいマルチーズとの生活を楽しもう!

マルチーズ

photo by Steve Cornelius

真っ白でとてもきれいな被毛が特徴のマルチーズ。被毛をきれいに保つことは、見た目の美しさだけでなく、マルチーズの健康にとっても大切なことです。

ブラッシングやシャンプーを欠かさずに、きれいな被毛を維持して長生きを目指しましょう。

※参考文献:新犬種大図鑑犬の急病対応マニュアル

【あわせて読みたい!】
犬の膝蓋骨脱臼って?症状や治療、手術、サプリメントなど
犬の外耳炎ってどんな病気?症状や治療方法・治療費・予防など

 - 犬の種類

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