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シラサギは鳥の名前じゃないらしい?種類や特徴を紹介

  2019/02/27
 

実はシラサギというのは「白いサギ」の総称で、鳥の名前ではないということをご存知でしたか?今回は、シラサギとは何なのか、そしてその種類や特徴などについてご紹介します。

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シラサギって?

シラサギ

photo by MATHIAS, M H

シラサギは白いサギを意味し、コウノトリ目サギ科に属してシラサギ類というグループを構成します。食事は単独ですが、夜寝るときは群れをつくって寝ます。浅い淡水の中を歩き、魚や両生類、かたつむり、カニなどを食べます。

サギ類のくちばしは長くてまっすぐになっていて、飛ぶときは首を曲げて引っ込めるのが特徴です。シラサギ類の中には、他の種類のサギたちと同じ場所にコロニー(サギ山)をつくって巣をつくり、繁殖するものもいます。

シラサギ

photo by Rodney Campbell

徳島県では、1965年(昭和40年)10月に、シラサギを県の鳥としています。また、繁殖期の背中の飾り羽はとても美しいので、とくに1897年〜1911年には、帽子の羽飾りをつくるためにたくさんのシラサギが殺されました。今では、ほとんどの国で規制があります。

シラサギの種類

シラサギ類には、「ダイサギ」「チュウサギ」「コサギ」「カラシラサギ」という4種類のシラサギがいます。沖縄では、白色のクロサギが加わったり、アマサギもシロサギの仲間に入れられることがあります。

これらのシラサギの種類は、体の大きさや足、指の色、冠羽(かんう:飾り羽)があるかないかなどで見分けることができます。シラサギの写真と一緒に、これらの種類をご紹介します。

ダイサギ

シラサギ類のダイサギ

【体長】 85〜100cm
【体重】 950〜1000g

ダイサギはもっとも大きなシロサギで、モモジロと呼ばれることもあります。冬羽と夏羽でくちばしと目もとの色、飾り羽の有無が違います。冬のくちばしと目もとは黄色で、夏のくちばしは黒、目もとは緑色(婚姻色と言う)になります。

夏羽には胸や背中にレースのような長い飾り羽が生えます。足と指は一年を通して黒色です。

シラサギ類のダイサギ

photo by Frank Schulenburg

ダイサギはもっとも多く生息しているサギでもあり、アジアやアメリカ、アフリカやオーストラリアなどの湿地帯で見られます。昼間に水田や浅い湖沼、川辺、湿地、干潟などで魚類やカエル、ザリガニなどを捕まえて食べます。

チュウサギ

シラサギ類のチュウサギ

photo by Shaunak Modi

【体長】 68〜70cm

チュウサギは、冬羽と夏羽でくちばしの色だけが違います。冬のくちばしは大部分が黄色で先端が黒く、夏はその逆で大部分が黒くなります。目もとは黄色で、足と指は黒色です。夏羽では背中に飾り羽が生えます。

見た目はダイサギによく似ていますが、体が小さいことや口角の切れ込みが目の真下までしかないこと、くちばしが短いことなどから識別できます。

ユーラシア大陸やアフリカなどの温帯や熱帯に生息します。チュウサギは魚類や甲殻類も食べますが、田植え前の田んぼなどの乾燥した場所で、バッタやクモなどの昆虫を食べることもあります。

コサギ

シラサギ類のコサギ

【体長】 60cm

コサギはチュウサギよりも小さいですが、くちばしは長いです。コサギの場合、くちばしや目もとの色は時期によって変わりません。くちばしは黒色、目もとは黄色です。ただ、夏羽では頭の後ろ側に2本の長い冠羽が生え、背中の飾り羽は先端が巻き上がります(ダイサギとチュウサギの場合は下に垂れ下がります)。足は黒、指は黄色です。

シラサギ類のコサギ

photo by Rushen

繁殖期には、指と目の先が赤っぽいピンク色になります。夏羽のコサギは、日本画に描かれることが多くありました。

アフリカやアジアの熱帯・温帯に広く生息しますが、温帯にいるものは冬になると暖かい地域へ移動します。内陸の平地に生息することが多く、水田や湿地、海岸、川岸などで魚類やカエル、甲殻類などを食べます。

カラシラサギ

シラサギ類のカラシラサギ

photo by Jason Thompson

【体長】 60〜68cm

目もとは黄色、足は黒褐色、そして指は黄緑色をしています。夏羽では冠羽が10cm以上伸び、背中や胸の飾り羽も少し伸びます。くちばしと目の間が薄い青色で、くちばしの色はオレンジ色で、冬羽のくちばしの色は大部分が黄色、先端は黒褐色です。

カラシラサギは、中国やインドネシアなど、アジアを中心に生息するシラサギです。河川や湿地、水田などに生息します。翼を動かし獲物を追い立て、魚類や小エビなどを食べます。

断崖の草原や樹上に巣を作り、たいていカラシラサギだけでコロニーつくって繁殖をします。メスは3〜5個の卵を産みます。

まとめ

シラサギというのは鳥の名前ではなく、白いサギという意味なのですね。ちなみに、名古屋駅、米原駅と金沢駅の間を運行する特別急行列車の名前にも、「しらさぎ」という名前が使われていますが、これは山中温泉の開湯伝説にシラサギが登場することから、そう名付けられたそうですよ。

 - 動物図鑑

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