うさぎがかかりやすい病気は?症状やサイン・種類・予防法をご紹介
最近は犬や猫だけでなく、うさぎを飼う人も増えていますよね。ペットは言葉で体の不調を伝えることができないので、病気の兆候を見逃さないように、予めかかりやすい病気の症状や予防法などについて知っておくことが大切です。今回は、うさぎがかかりやすい病気について、症状別にご紹介していきます。
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最近は犬や猫だけでなく、うさぎを飼う人も増えていますよね。ペットは言葉で体の不調を伝えることができないので、病気の兆候を見逃さないように、予めかかりやすい病気の症状や予防法などについて知っておくことが大切です。今回は、うさぎがかかりやすい病気について、症状別にご紹介していきます。
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photo by Yuki Matsukura
いくつかの症状から、うさぎがかかりやすい病気についてまとめてみます。症状を見逃さずに、病気を早期発見できるようにしましょう。
■涙目になる・よだれが出る
■ふんが出ない・量が減る
■下痢になる
■おしっこが出づらい・血尿
■くしゃみ・鼻水が出る
■足を引きずる
■首が傾く・ふらつく
■膣から血液のような分泌物が出る
■耳が赤くてぐったりしている
不正咬合は、歯がおかしな方向に伸びて口の中を傷つけてしまう病気です。口の中が傷ついてしまうと、他の病気を併発してしまうこともあります。
不正咬合は、切歯の不正咬合と臼歯(きゅうし)の不正咬合に分けられます。
切歯の不正咬合は、切歯がどんどん伸び続け、上の歯は内側に丸まって、下の歯は前に飛び出してしまいます。ケージをかじるクセや、落下事故、遺伝などが原因になります。
また、臼歯の不正咬合は、上の歯が頬に向かって伸び、下の歯が舌に向かって伸びてしまいます。臼歯(きゅうし:奥歯)で食べ物をすりつぶすことが少ないことや、カルシウムの代謝が上手くいかないこと、栄養が偏っていること、遺伝などが原因となります。
【予防】 歯をすり減らすことができるよう、十分な繊維質を含む牧草を主食にする
【治療】 歯のカット・抗生物質の投与
【その他の症状】 歯ぎしりをする・ふんが小さくなる・食欲がなくなる・あごを触ったときにでこぼこしているなど
【併発しやすい病気】 皮膚炎・結膜炎・毛球症(消化管うっ滞)
飲み込んだ抜け毛がふんと一緒に排出されなくなって、胃腸に毛がたまってしまい、胃腸の働きが低下する病気です。
繊維質の不足や異物の飲み込み、でんぷん質の摂り過ぎ、運動不足やストレスが原因となります。また、高齢のうさぎがかかりやすい病気でもあります。
ちなみに、毛を飲み込んだことが原因で胃腸の働きが低下した場合は毛球症と呼ぶのですが、他の原因で胃腸の働きが低下した場合は消化管うっ滞と呼びます。
【予防】 ブラッシングをして抜け毛を取り除く・繊維質の多い牧草を与える・適度に運動をさせる・でんぷん質はあまり与えない
【治療】 おなかのマッサージ・毛玉除去剤の投与・手術
【その他の症状】 食欲がなくなる・水をよく飲む・歯ぎしりをする・おなかが張っている・体重が減るなど
特に子ウサギと高齢のうさぎにとって、下痢は危険な症状です。
コクシジウム原虫という寄生虫が腸に入ることで、おなかを壊して下痢になってしまう病気です。子ウサギは免疫力が弱いので、この病気になると死んでしまうこともあります。
コクシジウム原虫が腸に寄生すると、うさぎのふんと一緒にオーシストという卵が排出されるのですが、うさぎがそれを食べてしまうとまた原虫が腸の中で成長するという悪循環になってしまいます。
【予防】 トイレを清潔にする
【治療】 サルファ剤(抗生物質)の投与
【その他の症状】 食欲がなくなる・体重が減るなど
【併発しやすい病気】 脱水症状・消化管うっ滞
抗生物質は、病気のもととなる細菌を殺してくれる薬ですが、それによって下痢になってしまうこともあります。
うさぎが飲んでも安全な抗生物質(サルファ剤・メトロニダゾール・ネオマイシンなど)を使うようにしましょう。
【予防】 飼育スペースを清潔にする・ストレスを与えない
【治療】 乳酸菌製剤の投与
【その他の症状】 食欲がなくなる・体重が減るなど
【併発しやすい病気】 脱水症状・消化管うっ滞
いつもよりも大腸菌が増えてしまうことで、下痢になってしまいます。
【予防】 繊維質の多い牧草を与える・急にえさを変えない・ストレスを与えない
【治療】 抗生物質の投与
【その他の症状】 食欲がなくなる・体重が減るなど
【併発しやすい病気】 脱水症状・消化管うっ滞
クロストリジウム菌が原因で下痢になってしまいます。子ウサギがかかりやすい病気です。
【予防】 繊維質の多い牧草を与える・急にえさを変えない
【治療】 抗生物質の投与
【その他の症状】 食欲がなくなる・体重が減るなど
【併発しやすい病気】 脱水症状・消化管うっ滞
尿管に結石ができてしまう病気です。カルシウムやタンパク質の摂り過ぎや水分不足、細菌感染、代謝異常が原因となります。
【予防】 牧草はアルファルファではなくチモシーを与える
【治療】 利尿剤の投与・食事療法・手術
【その他の症状】 膀胱のまわりが張っている・元気がない・頻繁にトイレに行くなど
【併発しやすい病気】 腎不全・膀胱炎
パスツレラ感染症は、細菌に感染することでおこる呼吸器の病気で、鼻炎(スナッフル)になってしまう場合が多いです。
ストレスや急な温度の変化、寒い場所での飼育、汚ない場所での飼育が原因となります。
【予防】 飼育スペースをきれいにする・適切な温度(20〜28℃)を保つ・ストレスを与えない
【治療】 抗生物質の投与
【その他の症状】 涙目になる・呼吸音がズーズーという変な音になるなど
【併発しやすい病気】 斜頚(しゃけい)
うさぎの骨は軽くて薄いので骨折しやすいです。手足の他に、腰椎(ようつい)の骨折もおこります。
【予防】 高いところから飛び降りさせない・無理におさえつけない・ケージに足が挟まらないように工夫する
【治療】 ギプスでの固定など
【その他の症状】 足を浮かせて歩く・ふんや尿を出せない・あまり動かないなど
【併発しやすい病気】 脱臼
首が傾いて、バランスが取れずに体が転がってしまう(ローリング)病気です。パスツレラ菌に感染したり、エンセファリトゾーン原虫が脳に寄生したりすることが原因となります。他にも、内耳炎や中耳炎も斜頚を引きおこします。
【予防】 飼育ゾーンを清潔に保つ・ストレスを与えない
【治療】 抗生物質の投与・駆虫
【その他の症状】 眼振など
【併発しやすい病気】 パスツレラ感染症・内耳炎・中耳炎
子宮がんはうさぎがなりやすいがんで、3歳以上になったら注意が必要です。人間と同じで早期発見が大切なので、症状を見逃さないようにしましょう。
【予防】 避妊手術
【治療】 手術など
【その他の症状】 血尿・乳頭が腫れるなど
うさぎは暑さに弱いので、熱中症になりやすいです。熱中症かもと思ったら、冷たいタオルで耳やあごなどを冷やし、病院に連れて行きましょう。急激に冷やすのは良くないので、氷水ではなく水道水で良いです。
【予防】 適切な温度と湿度を保つ・風通しが良く、直射日光のあたらない場所にケージを置く
【治療】 補液療法など
【その他の症状】 よだれが出る・呼吸が荒い・痙攣をおこしているなど
うさぎが病気にならないために、心がけたいことをまとめておきます。
■牧草を主食として食べさせる。おとな(1歳以上)になったら牧草はアルファルファよりもチモシー!
■飼育スペースを清潔にする。
■適切な温度(20〜28℃)と湿度(40〜60%)を保って、ケージは風通しよく直射日光の当たらない場所に!
■ストレスを与えない。(適度な運動・手足を伸ばせる広さの飼育スペースの確保など)
■日頃からのスキンシップを大切にして、病気の兆候を見逃さない。
うさぎが病気をせず、長生きできるように、飼い主としてできることをしっかりやりましょう。
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