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老犬がかかりやすい病気って?症状・治療法まとめ

  2018/11/28
 

老犬も子犬と同様、免疫力が低くなり、体の機能も低下するため、病気にかかりやすくなっています。今回は、老犬がかかりやすい病気についてまとめました。病気は、早期発見できないと治療が難しくなることもあるので、日頃から愛犬の体や行動をよく観察して、なるべく早く異変に気づけるようにしましょう。

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いつからが老犬?

テラスで眠るラブラドールレトリバー

歳をとるスピードは体の大きさや犬種、個体によって異なり、明確にいつからが老犬ということは定められていません。人の場合、前期高齢者と言われ始める65歳は、小型犬の12~13歳、中型犬の10~12歳、大型犬の8~10歳くらいにあたります。

繰り返しになりますが、何歳からが老犬という明確な決まりはないので、愛犬の様子をよく観察して、老化症状が見られたら定期検診の回数を増やすなど、愛犬に合わせた対応をしてあげることが大切です。

老化のチェックポイント

老化症状としては、以下のようなものが挙げられます。愛犬にあてはまる項目があるかチェックしてみましょう。

  • 寝ている時間が増える
  • 散歩に行きたがらない・途中で止まってしまう
  • 耳が遠くなる
  • 目が白く濁る
  • 白髪が増える・毛艶が悪くなる
  • 口臭がきつくなる

老犬がかかりやすい病気

糖尿病

糖尿病とは、膵臓(すいぞう)でつくられるインスリンが不足したり、効果が弱まったりすることで血液中の糖がエネルギーとして使われなくなる病気です。糖尿病には2種類あり、I型とII型に分けられます。

[インスリン依存性(I型)] インスリンが分泌されなくなることで生じる糖尿病
[インスリン非依存性(II型)] インスリンは分泌されるがその効果が弱まることで生じる糖尿病

犬がかかりやすいのは、前者のインスリン依存性糖尿病です。老犬はかかりやすく、特にメスはかかりやすいと言われています。

【症状】 水の摂取量の増加・下痢・嘔吐・食事量の増加・体重の減少・腹部の膨れ・排尿量、回数の増加
【治療】 インスリンの投与・食事療法・運動療法など

心臓病

心臓病にも種類がいくつかありますが、小型犬は特に心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)、大型犬は心筋症になることが多いです。老犬には多い病気で、6歳を過ぎると心臓病になる確率が増すといいます。

心臓弁膜症になると、僧帽弁(心臓内で血液が逆流するのを防ぐ)が厚くなり、その開閉に支障が出ることで血液が逆流します。その結果、心臓に血液が溜まってうっ血状態になってしまいます。心筋症は、心臓の筋肉に異常が出ることで心機能が低下する病気です。

肥満は心臓に負担をかけ、心臓病のもとになるので注意しましょう。

【症状】 食欲低下・せき・呼吸困難・疲れやすい・失神・腹水・胸水・肺水腫 
【治療】 安静療法・食事療法・薬物療法(強心薬・利尿剤などの投与)

慢性腎不全

少しずつネフロン(ろ過機能を持つ管状の構造)が壊れ、腎臓のろ過機能が低下する病気です。急性と慢性に分けられますが、老犬によく見られるのは慢性の腎不全です。

犬の慢性腎不全は症状が現れにくく、悪化するまで気づかないことが多くあります。悪化すると尿毒症(腎臓のろ過機能が低下することで体内に毒素が溜まってしまう病気)になってしまいます。定期的に尿検査をすることをおすすめします。

【症状】 食欲低下・水の摂取量の増加・便秘・嘔吐・下痢・排尿量の増加・毛艶の悪さ・貧血
【治療】 ホルモン剤の投与・食事療法など 

白内障

白内障は、レンズの役割を果たす水晶体が白く濁り、目が見えづらくなる病気です。老犬の白内障は非常に多く、「老年性白内障」と呼ばれます。

糖尿病の合併症として白内障になる場合もあり、症状が進行すると失明に近いほど低い視力になってしまいます。6歳を過ぎてから症状が出始めた場合、それは老化が主な原因といわれます。

【症状】 瞳の中心(奥の方)の白濁・物にぶつかる・視力の悪化
【治療】 点眼・人工眼内レンズの挿入手術など

老犬がかかりやすい病気を覚えておこう

白い犬

犬も人も病気になることなく健康に暮らしたいものです。しかし、人間と同じように犬も年齢を重ねると病気になりやすくなってしまいます。病気になった際に正しい判断ができるように、老犬がかかりやすい病気や症状について覚えておくと良いでしょう。

 - 犬の飼い方

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