ミニチュア・シュナウザーってどんな犬?性格や毛色、かかりやすい病気を紹介
photo by Seongbin Im
ミニチュア・シュナウザーは、シュナウザーの中でもっとも人気のある犬です。ひげみたいな口もとの毛が特徴的で可愛いですよね。今回は、そんなミニチュア・シュナウザーについてご紹介します。
Contents
ミニチュア・シュナウザーってどんな犬?
ミニチュア・シュナウザーとはどんな犬なのか、特徴や性格、歴史についてご紹介します。
ミニチュア・シュナウザーの基本データと特徴
【体重】 5〜9kg
【体高】 33〜35cm
【寿命】 12〜14年
ミニチュア・シュナウザーは、がっしりとした筋肉質な体つきをしています。農場のネズミを捕まえる犬としてつくられたので、俊敏に動くことができて、スタミナもあります。
足と口まわり、まゆの部分は毛が長くなっています。ダブルコートで、粗くて硬い上毛の下に柔らかい下毛が密集して生えています。
ちなみに、名前に含まれるシュナウザーというのは、ドイツ語で口ひげを意味する「Schnauz(シュナウツ)」からきているんですよ。
ミニチュア・シュナウザーは、イギリスでは他のシュナウザーたちも属するユーティリティ(実用犬)グループに分類されていますが、日本やアメリカではテリアに分類されています。
テリアの血は入っていませんが、小動物を捕まえることが得意な点や、被毛が剛毛で、トリミングが必要な点はテリアに似ています。他のテリアはイギリスが原産ですが、ミニチュア・シュナウザーだけはドイツ原産の犬です。
ミニチュア・シュナウザーの毛色
photo by Chepner
ミニチュア・シュナウザーの毛色は、ブラック&シルバー、ペッパー&ソルト(グレーと黒が混ざった色)、ブラックがあります。白のミニチュア・シュナウザーはヨーロッパでは認められていますが、アメリカでは正式な毛色として認められていません。
ミニチュア・シュナウザーの歴史
19世紀の後半に、ドイツでネズミ捕りのためにつくられた犬種です。テリアの中でミニチュア・シュナウザーは、ヨーロッパで暮らしていた犬たちを祖先としない唯一の種類です。
昔からドイツで暮らしていたスタンダード・シュナウザーとアーフェン・ピンシャー、ミニチュア・ピンシャーをかけ合わせて小型化してつくられました。プードルをかけ合わせたと言われることもあります。
ドイツでは1899年になると、ミニチュア・シュナウザーはスタンダード・シュナウザーと別の犬種とされました。アメリカで別の種類と認められたのは1933年になってからです。
ミニチュア・シュナウザーは、スタンダード・シュナウザーやジャイアント・シュナウザーがアメリカに伝わった後、しばらくしてからアメリカに伝わりましたが、ミニチュア・シュナウザーの人気はとても高まりました。今でもアメリカでのその人気は衰えていません。
昭和30年代には日本にもアメリカから伝わり、今では人気犬種となっています。
ミニチュア・シュナウザーの性格
photo by Theodore Scott
ミニチュア・シュナウザーは遊ぶことが大好きで、好奇心旺盛で明るく、活発な性格です。警戒心が強いところもありますが、勇敢なところもあります。頭が良くて、飼い主に対してとても忠実です。
他のテリア種と比べて攻撃的なテリア気質は弱いので、あまり吠えることなく穏やかで、他の小動物とも仲良くすることができます。
ミニチュア・シュナウザーの飼い方
次に、ミニチュア・シュナウザーの飼い方について、ケアの仕方やしつけ、気をつけたい病気を紹介していきます。
ケア
photo by Chepner
ミニチュア・シュナウザーは、あたたかければ外でも飼えますが、できるだけ室内で飼うようにしたほうが良いです。毎日の散歩に加えて、かくれんぼや追いかけっこなどの頭を使う運動も取り入れましょう。
被毛はほとんど抜けませんが、週に数回はブラッシングをしましょう。2ヶ月に1回ほどはトリミングをして、足とおなか、口もと以外の被毛をカットします。毛の長い部分は汚れやすいので、きれいに拭いていつも清潔にしておきましょう。
ストリッピング(一部の毛を地肌が見えるくらいまで抜く)をしても良いですが、ショーに出すのではなく、ふつうに飼うのであればブラッシングとトリミングで大丈夫でしょう。
ショーに出るミニチュア・シュナウザーは、生まれてすぐにしっぽや耳の一部を切ることもありますが、これもペットとして飼うには必要ありません。
しつけ
無駄吠えをすることは少ないですが、たまに吠えぐせを持ってしまうこともあります。甘やかさずに、子犬のうちからしっかりとしつけをしましょう。物覚えは良いので、しっかり教えれば吠えぐせのない犬になります。
注意したい病気やけが
photo by Daniel thor agustsson
純血種は、近親での交配が繰り返されたことで、遺伝的な弱点を持っています。ミニチュア・シュナウザーは以下のような病気やけがに気をつけましょう。
レッグパーセス
子犬が生まれてから半年から1年ほど経った頃に、何らかの原因で股関節の血行が悪くなり、大腿骨の骨頭が変形する病気です。
血行が悪くなるのは、ホルモンの過剰や栄養障害、生まれつきの病気などが原因とされています。体重10kg以下の犬はかかりやすいので、とくに注意してください。
【症状】 後ろ足を引きずる・片足を上げて歩く
【治療】 散歩など運動を控える・手術
糖尿病
糖尿病とは、すい臓でつくられるインスリンが不足したり、効果が弱まったりすることで血液中の糖がエネルギーとして使われなくなる病気です。糖尿病には2種類あり、I型とII型に分けられます。
[インスリン依存性(I型)] インスリンが分泌されなくなることで生じる。
[インスリン非依存性(II型)] インスリンは分泌されるがその効果が弱まることで生じる。
犬がかかりやすいのは、インスリン依存性糖尿病です。特に老犬とメスはかかりやすいので気をつけましょう。
【症状】 水をよく飲む・下痢をする・吐く・食べる量が増える・体重が減る・おなかがふくれている・尿の量や回数が増える
【治療】 インスリンの投与・食事療法・運動療法など
白内障
白内障は、レンズの役割を果たす水晶体が白く濁り、目が見えづらくなる病気です。とくに老犬の白内障はとても多く、「老年性白内障」と呼ばれます。
糖尿病の合併症や、遺伝などで白内障になることもあります。
【症状】 視力が悪くなる・目が白く濁っている・物にぶつかる
【治療】 点眼・手術など
停留睾丸(ていりゅうこうがん)
停留睾丸とは、生後2〜3ヶ月になっても睾丸が両方、または片方陰のう(袋)に入っていない状態のことです。本来、睾丸は1ヶ月ほどで陰のうの中に入るのですが、他の場所にとどまってしまうことがあるのです。
体内にあると体温であたためられてしまい、腫瘍になりやすいので、早めに摘出しておいたほうが良いでしょう。
【症状】 陰のうを触ったときに睾丸がない
【治療】 睾丸の摘出手術
ミニチュア・シュナウザーとの生活を楽しもう!
photo by Paul Ferguson
可愛さだけでなく、穏やかな性格で飼いやすいということからも人気のミニチュア・シュナウザー。人気の裏には、見境のない繁殖によって遺伝的な病気を持っているということもあります。
かかりやすい病気には気をつけて、病気の兆候には早く気づいてあげたいものです。ミニチュア・シュナウザーの特徴的なひげのような毛は、汚れやすいのでいつも気を配ってあげましょう。
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