犬の胃捻転って?症状や原因、予防・治療法などをご紹介
犬の胃捻転は、年齢と関係なく起こり、特に大型犬がかかりやすい病気です。比較的死亡率が高く、最悪の場合死んでしまうこともありますが、予防できる病気でもあります。今回は、犬の胃捻転の症状や、予防・治療の方法などについてご紹介します。
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犬の胃捻転は、年齢と関係なく起こり、特に大型犬がかかりやすい病気です。比較的死亡率が高く、最悪の場合死んでしまうこともありますが、予防できる病気でもあります。今回は、犬の胃捻転の症状や、予防・治療の方法などについてご紹介します。
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Contents
犬の胃捻転の予防法などをご紹介する前に、まずは犬の胃捻転とはどんな病気なのかを詳しくご紹介していきます。
photo by Deb
犬の胃捻転は、胃がねじれてしまう病気です。何らかの原因で、胃が膨れてしまうことが原因となります。犬の胃捻転の中でもっとも多いのは、胃の出口とつながっている十二指腸が、おなか側をまわって右方向に向かってねじれるものです。
腸が胃のまわりに巻き付くようにして胃を締めつけ、食べ物が胃の中に留まってしまったり、胃が膨れることでまわりにある内臓を圧迫したり、血流が悪くなって炎症を起こしたりします。
空気を飲み込んだり、胃の中でガスが異常に発酵したりすることによって、胃が膨れ上がってしまう胃拡張になり、それが悪化して胃捻転になることもあります。その場合、胃拡張胃捻転症候群(GDV)と呼ばれます。
ご飯の食べすぎや、水の飲みすぎ、ガスの発酵などによって胃拡張になることや、食べた後すぐの運動や早食いが原因となります。胃や腸はおなかの中で固定されてはいないので、重たくなった胃がゆらゆらと動き、腸と絡まってしまうことがあるのです。
犬が不安やストレスを感じていたり、興奮しているときなどは空気をたくさん飲み込んでしまうので、胃捻転になりやすいと言われています。
また、干しあんずやレーズンなど、水を吸って膨らんでしまう食べ物を犬に与えると、胃捻転の原因になり得る「胃拡張」を起こしてしまいます。
この他に、犬の与えてはいけない食べ物については、こちらを参照してみてください。
■人間には良くても犬に与えてはいけない10の食べ物
胃捻転は、ごはんを食べた後3〜6時間してから起こるので、症状が出るのは深夜や早朝の場合が多いです。おなかが膨れた状態になってから、半日ほど経ってしまうと犬は死んでしまうこともあります。
また、おとなしくて我慢強い性格の犬は、痛みに耐えてあまり症状を見せないことがあります。愛犬の性格も踏まえて、よく観察しておくようにしましょう。
photo by Deb
犬の胃捻転はとくに大型犬に多く、中型犬や小型犬でもときどき発症します。また、痩せている犬は胃や腸を本来の位置に固定しておく筋力が少ないことも多く、胃捻転になりやすいです。おとなしい性格や、怖がりの犬にも起こりやすいと言われています。
犬の胃捻転の治療法や予防法についてご紹介します。
photo by Julie Miller
犬の胃捻転の治療では、手術によって胃をもとの位置に戻します。ですが、ただ戻しただけでは80%の確率で再発するので、胃を片側だけ固定することもあります。胃の一部を切除し、胃を小さくする手術も効果的です。
また胃拡張になっている場合は、胃にカテーテル(柔らかいチューブ)を入れたり胃に太い針を刺し、胃の中のガス抜きをします。手術後は、早食いさせないように数回に分けてご飯をあげるなどの再発予防策が必要です。
胃捻転は比較的死亡率の高い病気で、動けなくなってから動物病院に連れて行ったときの死亡率は40〜50%にもなるので、早めに治療できるようにしましょう。
犬の胃捻転は、ある程度予防できる病気です。冬に多く起こる病気なので、とくに冬は注意しましょう。大型犬は1回のごはんの量が多く、胃が膨らんでしまいやすいので、早食い防止のため、数回(1日3回以上)に分けてごはんをあげると良いです。
また、運動の後にごはんをあげたり、食べたあとは少し休んでから運動させたりすることで、犬の胃捻転を予防することができます。痩せている犬の場合は、5回以上に分けて少しずつごはんをあげるようにしましょう。
また、あらかじめ胃の固定の手術を受けて、胃捻転を予防するという方法もあります。胃を固定すると、90〜95%の確率で胃捻転を予防することができます。この手術をする場合は、全身麻酔を必要とする歯石除去や、不妊手術などと一緒にやると良いでしょう。
大型犬の死因のうち、2番目に多いのが胃捻転と言われています。犬の胃捻転は、予防できる病気です。ごはんのあげ方を工夫したり、運動とごはんのタイミングを考えたり、胃捻転の予防のためにできることをしっかりやりましょう。
また、日頃から愛犬の様子を観察して、異常が見受けられたらできるだけ早く動物病院に行きましょう。犬が胃捻転になったばかりのときは吐くような仕草を見せてもごはんは食べることもあるので、見逃してしまいがちです。
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