犬の膝蓋骨脱臼って?症状や治療、手術、サプリメントなど
犬の膝蓋骨脱臼は、小型犬がかかりやすい病気のひとつです。生まれつき膝蓋骨脱臼にかかりやすい犬は、特に注意しなければなりません。他の病気も同じですが、早期発見することや予防することがとても大事なので、今回は膝蓋骨脱臼の症状や予防法などについてご紹介します。
photo by Yi Chen
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犬の膝蓋骨脱臼は、小型犬がかかりやすい病気のひとつです。生まれつき膝蓋骨脱臼にかかりやすい犬は、特に注意しなければなりません。他の病気も同じですが、早期発見することや予防することがとても大事なので、今回は膝蓋骨脱臼の症状や予防法などについてご紹介します。
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Contents
まずは、膝蓋骨脱臼とはどんな病気なのかを詳しくご紹介していきます。
膝蓋骨脱臼は、後ろ足の膝関節にある膝蓋骨(膝のお皿)が本来の位置からずれてしまう病気です。股関節の脱臼とともに、もっとも多く起こる脱臼のひとつです。
内側にずれてしまうものを「内方脱臼」、外側にずれてしまうものを「外方脱臼」と言い、特に小型犬は「内方脱臼」の発症率の方が高いです。また、オスよりもメスの方が膝蓋骨脱臼になりやすいと言われています。
ちなみに脱臼とは、関節を形成している骨と骨が本来の位置から外れてしまった状態のことを言います。膝蓋骨は、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(けいこつ)の間にあり、膝の曲げ伸ばしで使う靭帯をスムーズに動かしてくれる骨です。
時間が経つほど骨は変形して、悪化すると歩行障害になってしまうこともあるので、症状があるようなら子犬のうちに治しておきましょう。膝蓋骨脱臼の症状は、生後4ヶ月ほどから見られるようになります。
犬の膝蓋骨脱臼は、生まれつきのものと外傷性のものがあります。膝蓋骨脱臼のほとんどは生まれつきのものです。
生まれつきのものは、膝関節のまわりの筋肉や靭帯、骨などの構成に異常があることが原因になります。骨の構成に異常があれば歩き方が内股だったり、がに股だったりします。また、靭帯の位置が正常ではないこともあります。
外傷性のものでは、高い所から落ちてしまったり、床で滑ったり、打撲をしたりしたことなどが原因になります。ソファなど少し高いところから飛び降りただけで膝蓋骨脱臼になってしまうこともあります。
犬の膝蓋骨脱臼の症状をまとめておきます。
■後ろ足を浮かせて歩く
■真後ろから見て、後ろ足が内側か外側に曲がっている
■膝のまわりが腫れている
■膝を曲げたまま歩く
■痛みから膝を触られるのを嫌がる
また、膝蓋骨脱臼の症状は、進行によってグレード1からグレード4までの4段階に分けられます。
【グレード1】
あまり症状はなく、簡単に脱臼し、脱臼しても自然に元の位置に戻ってしまう。関節を伸ばした状態で指で圧迫しただけで脱臼するが、離すともとに戻る。
【グレード2】
たまに膝を曲げたときに脱臼し、足を浮かせて歩くようになる。関節を伸ばすか指で押すことで整復でき、日常生活にはあまり支障がない。
【グレード3】
骨が変形して頻繁に脱臼し、足を浮かせて歩くようになる。関節を伸ばして指で押さないと整復できない。
【グレード4】
完全に脱臼し、靭帯が断裂していることもある。家で治すことはできず、ひざを曲げたまま歩くなどの歩行異常もある。
■ポメラニアン
■チワワ
■マルチーズ
■トイ・プードル
■ヨークシャー・テリア
■コーギー
photo by Yasuhiko Ito
犬の膝蓋骨脱臼の治療法や予防法についてご紹介します。
膝蓋骨脱臼の診断は、まず触診で行ないます。患部を触ってみて、どれくらいのずれがあるかを診てもらい、どれくらいのステージにあるかを確認します。
その後に、必要であれば足を伸ばした状態でレントゲンを撮り、骨や靭帯などの詳しい状態も見てみます。
程度によって治療法が異なりますが、どのステージにあってもずれてしまった膝蓋骨をもとの位置に戻す治療をします。軽度の場合は麻酔をかけて片側から圧力をかけて整復したり、薬を投与して治します。
ステージ3以上など、重度の場合は手術をします。進行しすぎていて、変形が重度の場合には手術することができないこともあるので、手術はなるべく早期に行うことが大切です。
軽度であっても、生まれつき脱臼しやすい犬は膝蓋骨脱臼を繰り返して悪化させてしまう恐れがあるので手術をすることがあります。
もし子犬のうちから症状があるようなら、骨が成長する前にできるだけ早く治療を始めましょう。
photo by Eric Chan
膝に負担をかけないよう、室内で滑らないようにじゅうたんを敷くなどの工夫や、足に筋肉をつけるための適度な運動が必要です。また、少しの高さからでも飛び降りさせないようにしたり、足の裏の毛が伸びたら切って滑りにくくしましょう。
ソファからの飛び降り防止には、このような階段を置いておくのも有効です。
肥満になると膝への負担が増えるので、肥満にも気をつけましょう。
膝蓋骨脱臼は先天的なものが多いので、膝蓋骨脱臼にかかりやすい犬種を飼っている場合は、愛犬をよく見ておくことで早期発見ができます。また、予防策として膝蓋骨脱臼になりにくい工夫をすることで、膝蓋骨脱臼になるリスクを減らしましょう。
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